煌夜祭

2006年8月31日 読書
ISBN:4125009481 新書 多崎 礼 中央公論新社 2006/07 ¥945
十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭――年に一度の語り部の祭。
お話ししよう。夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を……
廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった――!
第2回C★NOVELS大賞受賞作。

去年の聖者の異端書の人といい、今回のこの人といいC★NOVELS大賞は力のある人を出してくるなぁ。
二人の語り部が、交互に話を語り合い、その話の中で過去から現在へと時間が進んでいく構成なのだけれど、これがうまい。途中誰と誰が同一人物なのかわからなくて頭が混乱したけど(というか読み終わった後も混乱してた)、おもしろかったと言えるのは間違いないです。
二度読みすれば構成やら伏線やらが生きているのがわかって、ますます楽しめると思います。

9/10
 
ISBN:415011577X 文庫 ジョージ・R・R・マーティン 早川書房 2006/08 ¥735

4巻目。重要人物が二人ほど死んで陰謀の開始です。相変わらず面白い。

エダードお殿様は誇りを重視してる分、策略に向いてなくて読んでてもどかしいんだけど、だがそれがいい。しかしスターク家で敵方の策略に対抗できるのはケイトリン奥様くらいか。あとは女剣士ルートを歩みつつある次女アリアにも注目中。
次巻で内乱が決着して、次シリーズで海の向こうから攻めてきた蛮族と戦争ですかな。きっと面白いんだろうなぁと胸が高鳴ります。
離れ離れになったスターク家の人々は再び会うことが出来るのか。期待期待。

8.5/10
 
ISBN:4757729154 文庫 野村 美月 エンターブレイン 2006/08/30 ¥630

2巻目。今回のモチーフはネタバレにつき割愛。ちなみに私は未読の本でした。

イラストがすごくマッチしてました。特に最後のカラー絵。
本を食べる妖怪の遠子先輩がかわいいとか、クラスメイトのななせが絵に描いたようにツンデレしてるとかあるけど、この話の見所はそういうところではなく、終盤になって明かされる人間関係が内包した狂気と隠されていた感情の発露。様々な感情がこもった雨宮さんの最後の言葉が重くて、心にズシンと衝撃が来ました。

私の中で野村美月株が急上昇中ですにゃ。

8.5/10
 
ISBN:4757729316 文庫 あきさか あさひ エンターブレイン 2006/08/30 ¥630
「世界は、あと四日で滅亡する―」計画都市・谷園で、いつものように教室に向かった高校生・芹沢和也は、「疎開」により、ついに唯一人になったクラスメイト、大舞都亜美から「世界を救う方法を一緒に探そう」と誘われる。荒廃した街ですることもなく、生きることに執着もない和也は、暇つぶしとして亜美に付き合うことにする…。喪われた日常が“繰り返される”世界で、生きる希望を探す少年と少女を描いた、えんため受賞作家、渾身の上下巻連続刊行。

終末物でループ物。世界の終末にループで立ち向かうシチュというか、ループ物自体私が好きなジャンルなのでおもしろく読めました。終末物を補強する登場人物の心理描写も上手くかけているように思います。
あとがきによると某ゲームそのままということで、私もあれに似てるよなぁと思ったタイトルが2,3個浮かびましたが、別物として読めました。

ちなみに一番驚いたのは、9月刊行の下巻のタイトルを見るに、今まで正ヒロインだと思っていたキャラが実は準ヒロインっぽいということでした。

7.5/10
 
ISBN:4840234442 文庫 谷川 流 メディアワークス 2006/06 ¥515

1巻の内容をほとんど忘れていました。8つの異世界がありそれらが戦っていて、その中で主人公が大切な位置を占めるという内容だっけか。読み始めたらいつの間にか読み終わっていたと記憶があります。

で、前巻ではどうだったか忘れたけど、この巻では地の文でいろいろ説明してくれます。学園+能力バトルの考察とか物語における主人公の立ち位置の考察とか。
しかし結局その物語に対する解説とレズがやりたかっただけじゃないのかと。伏線ほとんど回収されないし。まあそんな谷川流も嫌いじゃないですが、設定をどばーどばーと無駄に出してキャラが語ってくれる谷川流のほうが好きなのです。つまり学校を出ようの続きも早く書いてくださいよと。

6.5/10
 
 
ちなみに私の中の好きさでは
学校>ハルヒ>イージス>ボクセカ=絶望系
という感じ。
 
ISBN:4757727445 文庫 舞阪 洸 エンターブレイン 2006/05/29 ¥630

2巻目。
とりあえず1000人規模の騎士団に1年の入団者が10人というのは少なすぎるだろと突っ込みたい。あと、その10人の中でも半分ほどしかキャラが立ってないのは改善してほしいなぁ。
騎士団内部の裏切りとかで話はそこそこ面白くなっていきそうなので、少ない巻数で手堅くまとめてほしいと思います。

7/10
 
ISBN:4840233934 文庫 あらい りゅうじ メディアワークス 2006/05 ¥557

4冊目。
日常的な妖怪退治の話2本と、本編であろう魔龍一族との戦いの話1本。
個人的には妖怪の薀蓄をたれながら日常でまったりしてる話の方が好きだなぁ。
魔龍一族のほうは薀蓄が少ないしまだ敵がショボイ段階だから面白さが一段落ちます。
ラブ分はちょっと出てきましたが、もっとあってもいいんじゃないかと思うところ。

6.5/10
 

かのこん

2006年8月31日 読書
ISBN:4840114293 文庫 西野 かつみ メディアファクトリー 2005/10 ¥609

「おじいさん、都会の学校ってすごいです」―高校一年の耕太は転校初日、見知らぬ先輩に呼び出され二人っきり!彼女は学校で一番と噂される美少女!!彼女の艶やかな髪が揺れ潤んだ瞳が!?ほんのり上気した頬が!!?か、かわいらしい唇が!!!?なんだかどんどん迫ってくる???なんだか目がちかちかすることがおきてます!そして「ええっ!?せ、先輩ってもしかして…????」―田舎で祖父と二人暮らしをしていた純朴少年・小山田耕太の運命が大きく動き出す!ファンタジック学園ラブコメ開幕!第1回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作。

2chの某スレではおっぱい小説とかおっぱいの三段活用とかいう噂をよく聞くこの小説ですが、読んだ限りではそこまで ( ゜∀゜)o彡゜オッパイ!オッパイ! という印象はなかったかな。2巻以降から本領発揮なんでしょうか?
ラブコメとしての出来は普通。

6.5/10
 
ISBN:4840235171 文庫 有沢 まみず メディアワークス 2006/08 ¥536

時系列は8巻の続きで、カオル(薫の妹)が啓太やようこたちと暮らすようになってからの話。連作短編。
「かもな、まいはうすっ!」
不可解な事件が起こり、そのときに偶然録画されていたビデオテープを見ながら何が起こったのか検証していくおもしろい構成。で、そういやこれは変態小説であったなと再認識。やはり全裸の人間が出てきてこそいぬかみっ!です。しかもそれが気絶して浮かんで寄ってくるあたりで爆笑でした。
「穿いてないっ!」
もちろんパンツのことですが、それがいつバレるのかニヤニヤしながら読めました。

7.5/10
 
ISBN:4829118547 文庫 鏡 貴也 富士見書房 2006/08 ¥609

本来あらすじがあるべきところに4コマ漫画があるなんて斬新。
それ以外はいつもの短編。とりあえずライナが寝てみたり変態色情狂扱いされたりだんごのために殺されそうになったりする内容で、ちょくちょく笑いながら楽しめた。
ただ書き下ろしもノリが軽かったのがちょい不満。つまらなくはないけど、連載分でコメディ分を取りつつ、書下ろしでシリアス分を取るのがバランスいいと思うんだけどなぁ。

7.5/10
 

とりあえず

2006年8月28日
また書くのをサボっていた読書感想を、そろそろ書いていきたいと思います。

ところで最近読書感想を除くとほとんど何も書いていないことに気付いて愕然としました。mixiのほうではたまにダメな日常を書いているのですが、そのせいでこちらに書くことがない。
でも夏休みで暇なんだから何か書けよ自分という感じです。
そんなわけで、同じく夏休みで暇な9月はライトノベルの分類とか分析とか分解とかそんな感じの何かを書きたいなぁと思うわけです。といってもまだネタを全然思い付かないわけですが。
 
ISBN:4044810036 文庫 日日日 角川書店 2006/04/28 ¥680

3巻目。異世界から怪造生物を召喚することができる貴重な腕輪を通り魔的に盗むことで、怪造学そのものを崩壊させようとする転校生現るの巻。

現在の支配者と召使いのような人間と怪造生物の関係を、平等にしようと燃える主人公伊依の理想にはやっぱりもやもや感を覚えたけど、この巻でその理由の一端を自覚。作中でも言われてたように伊依にとっては怪造生物の友達>人間の友達になってる気がするから。あとまあ怪造生物全てが友達というのは、人間全てが友達といっているようなもので、そんな人はちょっと信用できないというかそんな感じ。
ぶっちゃけこの話で一番面白いのは、伊依の行動よりも、その仲間であるカタナ少女の戦橋が敵をちぎっては投げちぎっては投げしている爽快な場面でした。

7/10
 
ISBN:4044508011 文庫 菅沼 理恵 角川書店 2005/03/31 ¥480
神から授かったといわれる力で、様々な術を使う少女・白雪。ある日、最愛の父を失った彼女の前でに、蘇芳・青磁・琥珀・黒曜と名乗る四人の青年が現れる。実は白雪は、この国を守護するただひとりの存在、斎宮であり、彼らはその斎宮を守る騎士なのだという。―いまや世界の存続は、彼女にゆだねられた!「俺たちは、この命に代えても、あなたをお守りする」。斎宮の名の下、今、星が動き出す。恋と戦いのファンタジー。

巫女一人にその騎士4人の兄弟で逆ハーレム物。
うーん、少女向けだからか、なんとなく合いませんでした。
読者置いてけぼりな設定とか展開は次巻以降への伏線なんだろうけど食指が動かないなぁ。野郎でおもしろいと思ったキャラはツンデレな次男だけだし。まあ気が向いたら次巻も読むということで。

5/10
 
ISBN:4840233969 文庫 有沢 まみず メディアワークス 2006/04 ¥557

8巻の続きじゃなくて過去の話とかifの話とかを集めた短編集。

なんというか普通。つまらなくはないんだけど、格別に萌え〜な話が出てくるわけではないし、やばい変態が出てくるわけでもないし。しっぽ分もなんだか不足してる気がするぞ。
唯一印象に残ったのが白山名君の話。啓太と契約した仙人だけど、これまで名前だけ出てきて何者かと思ってたらカエルだったのか。啓太が攻撃に使ってるカエルの消しゴムはそういう関係でだったのかと納得。

6.5/10
 
ISBN:4840114269 文庫 五代 ゆう メディアファクトリー 2005/10 ¥609

1巻を読んだときは可もなく不可もなくという印象だったのですが、この巻になって婚約者に義妹に王女とフラグが一気に3本も立ってウッハウハです。
ヒロイン登場でキャラが生きてきたので、科学と魔術が入り混じる19世紀ロンドンという設定に深みも出てきました。でももっと婚約者のツンデレを! ぼくにはもっとツンデレがひつようなんだ! 
というわけで次巻に期待。

7.5/10
 
ISBN:4840231737 文庫 谷川 流 メディアワークス 2005/10 ¥557

1巻の内容をほとんど忘れていた。たしか大学生の主人公が中学〜高校生のヒロイン達と同居して、世界を破滅から守るために怪獣と戦う話だった気がする。

とりあえず5人ヒロインがいるなかであえてツンデレルートを選ぶとはさすが谷川流。わかっていやがる。それだけでありがとうと言いたい。というか他には無口系ロリっ子が可愛かったなあくらいしか印象にない。いやおもしろかったんだけど。

7/10
 
ISBN:408630306X 文庫 山形 石雄 集英社 2006/07 ¥600

戦う司書シリーズ4巻目。死者の本を届ける謎の存在ラスコール・オセロを追う話。
今までは思念を飛ばす連絡役として後方支援役に徹していたミレポックがこの巻の主役。
敵対勢力である神溺教団の裏切り者も出てきて、その描写により教団の謎の一部が明かされたのには満足。ストーリーというか文章の運び方にも前巻と変わらず安定した面白さがあった。
終盤の戦闘も頭を使って戦略を練り、敵を油断を誘って勝利というのには好感。

ただ、最後のどんでん返しで、結局は○○の手のひらの上の出来事だったというのがあまり好きじゃない。その展開自体はなんとなく予測できてたしいいのだけど、ミレポックがそれに気付かないままっていうのは何もストーリーが進んでないということで、この先の話の発展性を狭めたんじゃないかと不安。

1巻>3巻>2巻=4巻 という具合に個人的な好きさが上がり下がりしているので、5巻には期待かな。

8/10
 
ISBN:404472301X 文庫 こばやし ゆうき 角川書店 2006/07/29 ¥560
高校入学初日、部活紹介で壇上に上がった麗しの桃先輩。彼女に運命を感じた僕は、すぐにその地球防衛部へ入部したんだ。あらゆる外敵から地球を守る防衛部の訓練はとってもハード!でも桃先輩がいるからガンバれるよね。そんな僕のクラスに転校してきた天野さんは僕をしきりにオカルト部へ勧誘するんだけど、そこに怒った表情の桃先輩が現れて…これってもしかして三角関係ってやつ!第9回角川学園小説大賞“奨励賞”受賞作。

一目惚れした先輩に近づくために、対地球外生命体とか想定している怪しい部活にほいほいと入ってしまったラブコメ。
一人称の地の文で「〜です。」と「〜だ。」が混在していて文体が統一されてない点と、いつの間に先輩→僕への恋愛感情が生まれたのか描写していない点が気になったことを除けば、あとは普通に読めるラブコメ。
ただ、作者が人気があると書いていた巨大蜂と巨大人面蜂との卵管(毒針)バトルはたしかにシュールでしたが、そんなことよりエロゲ一歩手前の寸止め描写のほうが読んでて楽しかったと思った私でした。

7/10
 
ISBN:484023504X 文庫 白川 敏行 メディアワークス 2006/07 ¥578

4巻目。レイスハンターになるために、インターンとしてマレー半島で企業での実習。
前巻までを読んだときも思ったけど、設定のおもしろさにストーリーが追いついてない。ウィルスで生態系が変異した世界で、その生態系を調査するレイスハンターという職がありそれに付随する設定がたくさんあるのに、ストーリーの本筋は主人公の悩みとか強敵とバトルとか、そこそこ面白いけどありきたり。私がワクテカしてるのは宝石蛸の産卵場所とかエルドラド・シャークの繁殖地とかそういう単語を使った話なんだよ。

あと絵はやっぱ微妙。もっとおっさんを渋く描いてくれないかなぁ。
巻を増すごとに新キャラが大量に出てくるので、把握するのに一苦労。というかストーリーも大して進んでないし、この巻は5巻のためのキャラ紹介という感じ。
それにしても菱緒とお嬢の浮きっぷりは異常。シリアスな場面を読んでいたら、唐突に場面が変わって主人公でもないのにラブコメをかましていく。この巻では主人公でさえラブコメしてないのに違和感ありまくり。ラブコメだけ単体として読むならおもしろいかもしれないけど、この話では雰囲気を壊している気がする。

8/10
 
ISBN:4086302594 文庫 影名 浅海 集英社 2005/09 ¥670
退魔を世業とする陰陽師の家系―『星之宮』の双子、姉の御影と弟の光輝。陰陽術の才能溢れる御影に対し才能ゼロの光輝は、偶然出会った魔術師に『精霊を視る能力』を認められ、独り海外に赴く。そして約一年後、精霊術を習得し自信を付けて帰国した光輝は御影が案ずるのをよそに、父からずっと蔑まれて受けた屈辱を返すべく試合を申し込む。―それが連続怪奇事件の始まりだった…。

術士の家系に生まれた才能無しの主人公が海外で修行して自信過剰になって帰ってきて父親に復讐する話に既視感を覚えるのですが気のせいでしょうか。

それはともかく、つまらなくはなかった気がします。でも嫌い。展開が全く私の好みに合いませんでした。自信過剰なキャラが嫌いってのもあるし、結局、元凶は主人公(と父親)の頭に血が上り過ぎていたせいでしたってのがなんとも……。あと中盤の親友が酷い目に遭う鬱展開も。鬱展開は嫌いじゃないはずなんだけど、それまでの話が楽しめなかったので合いませんでした。

3/10
 

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