ISBN:4840236070 文庫 スズキ ヒサシ メディアワークス ¥641

リネア様のご尊顔どころか挿絵が一枚もないっていったいどういう戦略ですか?

ファンタジーとしての出来は、それほど奇抜なことをしているわけでもないし普通なのですが、リネア様というキャラクターが異常なプラス修正をしているこの話。ほとんど登場しないこの巻でも、わずかな登場シーンで私の脳内を興奮に導いてくれます。
そんなリネア様が大活躍するらしい3巻に超期待。

8.5/10
 
ISBN:4840235856 文庫 成田 良悟 メディアワークス ¥683

ほぼ2年ぶりというかそういえばそれくらい出てなかったのかというバッカーノの新刊。成田良悟さんの作品では一番好きなシリーズなので嬉しい限りです。
今回もアイザックとミリアの会話にああこいつらってほんとバカだよなぁと思いつつ、出てくるキャラは皆イカれた奴ばかりなのをああこれぞバッカーノよと楽しんでいたらラストの驚愕の展開。フェリックスさんの正体がその発想はなかったわ。やってくれるぜ成田良悟。サイコーッ!

ところでジョジョとシグルイとヘルシングのノリで本当に漫画化できるんならぜひ読んでみたいものです。

9.5/10
 

TOY JOY POP

2006年9月25日 読書
ISBN:4894254565 文庫 浅井 ラボ ホビージャパン 2006/08/29 ¥700
福沢礼一は退屈だった。世界には流言飛語が溢れてる。曰く「現世は神の怒りにより、間もなく滅びる」。曰く「手足をボキボキに折る関節ババアがいる」。などなど。でも、現実に福沢の周りには何も起こりはしない。山崎椎菜は問う。「フク、そろそろ死ねば?」「言葉って暴力だよね」。ただひたすらに駄弁るだけの5人の男女。彼らの中で周囲で暴走する、通常で異常なミステリー・シンキングタイム。青春は時として軽やかに迷走する。

浅井ラボの新作は現代日本で、ファミレスでだべったり援交したり関節ババァとバトルしたり。女子高生二人の性格造形とか浅井っぽさがよく出てる一方、都市伝説と化している関節ババァみたいなキャラは浅井作品では新鮮。
ここが面白かったと指差していえないのだけど、全体的に見ると何故か面白かったという不思議。ただ、服とか化粧品とかのブランド名を羅列されても、門外漢の私にはわけわからんかった。
それにしても舞台が現代日本のせいか、作中の駄目な男の描写が、私がどうしようもない駄目人間だと語りかけてくるようでそれが素敵に鬱。

作者ブログで実は真犯人がいるということを知っていたので、読みながら見つけようとしたけど、一回目は見つけることができず再読してそれっぽい人物を見つけた。
一見して犯人はいない、あるいはもし居たとしても間接的な加害者しかいないと見える中で、ただ二人だけ実際に人を殺している人間がいる。つまり彼らこそ二人組の殺人者と呼ばれるものであり、この話の真犯人(実行犯)ではないか。証拠は94,148,390,391ページあたり。答え合わせのためにネット巡回してみたらどうやらあってるっぽい。

8.5/10
 

とらドラ3!

2006年9月25日 読書
ISBN:4840235511 文庫 竹宮 ゆゆこ メディアワークス 2006/09 ¥536

いきなり救急車の音が聞こえるような病院のシーンから始まったので、え、なに、これほんとにとらドラ?大河がぶち切れて亜美に大怪我させたとかそんな展開?とか思って目が点になっていたのですが、蓋を開けてみればやっぱりいつもの竹宮ゆゆこでした。
前人未到の五角関係ラブコメに突入し、みのりんのネタに笑いつつ、この先の展開を予想して私の頭はバラ色です。哀れ乳大河かわいいよ大河。

しかし、ち、乳ネタをそんなにふんだんに使いおってぇ! ここでそんなに使ってしまって大丈夫なのかゆゆぽ!? なにぃ、尻ネタとかさらなる乳ネタとか結構たくさん残ってるだとぉ!
超期待してます。

9/10
 

ラキア〈2〉

2006年9月25日 読書
ISBN:4840235589 文庫 周防 ツカサ メディアワークス 2006/09 ¥683

1巻がループ物だったので、今回もきっとループ物に違いないぜ。ループ最高! と思って喜び勇んで読み始めたのですが、ループが始まるのは中盤になってからだし、それもタイムリープの連続でループとは違うものだったので、なんだかなぁという感じ。夜になれば前日の朝になるという設定はおもしろかったけど、それを十二分に生かせてないような。意識遡行の終了条件もあいまいだったし。
あと不確定性原理を持ち出して多世界解釈とかやってたけど、フリップ世界とかスプリット世界とかの名前が出てきてもファンタジーにしか見えない。どうせならもっとエスエフエスエフしてほしかった気分。

7/10
 

学校の階段2

2006年8月31日 読書
ISBN:4757728026 文庫 櫂末 高彰 エンターブレイン 2006/05/29 ¥609

熱い、熱いぜ階段部ッ。この熱さを俺は待っていたッ!
階段部設立の経緯と、再び階段部存亡の危機が平行して語られる2巻。
前者では走らずにはいられないという衝動、後者では教師の立場から(校内を走り回る)問題児との接し方が上手く描かれていました。
この作者は燃えのポイントを良くわかってるなぁ。

9.5/10
 

海を見る人

2006年8月31日 読書
ISBN:4150307970 文庫 小林 泰三 早川書房 2005/05/25 ¥735
「あの年の夏祭りの夜、浜から来た少女カムロミと恋に落ちたわたしは、1年後の再会というあまりにも儚い約束を交わしました。なぜなら浜の1年は、こちらの100年にあたるのですから」――場所によって時間の進行が異なる世界で哀しくも奇妙な恋を描いた表題作、円筒形世界を旅する少年の成長物語「時計の中のレンズ」など、冷徹な論理と奔放な想像力が生み出した驚愕の異世界七景。SF短篇の名手による珠玉の傑作集。

大学物理を早々に挫折した私にはわけわからんという物理描写が多かったですが、そこは想像力でカバー。話の舞台がどれも普通の世界じゃないので設定好きにはたまらないですよ。

特に印象が残ってるもの。
舞台が一番好きなのは、「時計の中のレンズ」円筒世界と楕円体世界の光景を脳内で思い浮かべると圧巻。
一番わけわかめだったのは「天獄と地国」。どんな形の世界なのか想像しづらかったのに、解説を読むとさらに???となった。
小ネタが良かったは「キャッシュ」。仮想現実内で、各人の持ってる魔点を消費して超常現象(魔法)を引き起こせるという設定はこの本の中で一番好き。

7.5/10
 

月の娘 1

2006年8月31日 読書
ISBN:4894254441 文庫 渡辺 まさき ホビージャパン 2006/08/01 ¥650
いつものように校舎の屋上で昼寝を決め込んでいた一沙。その口に、ぬるりと何かが入り込んだ。「…うぅ、気持ちわるい」。気を取り直して部活に出ようとすると、一沙の頭の中に突然声が響く…。声の主は「イブキ」と名乗る得体の知れない人物。体を見つけてくれないと一沙から出られないと言われ、一沙は不承不承「イブキ」の抜け殻探しを始めるが…。


渡辺まさき先生復活。
異世界から来た魔女と一緒に探し物。
怪しい人間が丸解りなんですが、そんなことはどうでもいい。とにかく雰囲気がすごくいいんですよ。田舎町を自転車乗り回しながら行ったり来たりしている描写を読むだけで幸せ。

8/10
 

煌夜祭

2006年8月31日 読書
ISBN:4125009481 新書 多崎 礼 中央公論新社 2006/07 ¥945
十八諸島の世界を巡り、世界各地で話を集め、他の土地へと伝え歩く。それが我ら語り部の生業。冬至の夜、我らは島主の館に集い、夜を通じて話をする。それが煌夜祭――年に一度の語り部の祭。
お話ししよう。夜空を焦がす煌夜祭の炎壇でも照らすことの出来ない、真の闇に隠された恐ろしい魔物の物語を……
廃墟となった島主の館で、今年もまた二人だけの煌夜祭が始まった――!
第2回C★NOVELS大賞受賞作。

去年の聖者の異端書の人といい、今回のこの人といいC★NOVELS大賞は力のある人を出してくるなぁ。
二人の語り部が、交互に話を語り合い、その話の中で過去から現在へと時間が進んでいく構成なのだけれど、これがうまい。途中誰と誰が同一人物なのかわからなくて頭が混乱したけど(というか読み終わった後も混乱してた)、おもしろかったと言えるのは間違いないです。
二度読みすれば構成やら伏線やらが生きているのがわかって、ますます楽しめると思います。

9/10
 
ISBN:415011577X 文庫 ジョージ・R・R・マーティン 早川書房 2006/08 ¥735

4巻目。重要人物が二人ほど死んで陰謀の開始です。相変わらず面白い。

エダードお殿様は誇りを重視してる分、策略に向いてなくて読んでてもどかしいんだけど、だがそれがいい。しかしスターク家で敵方の策略に対抗できるのはケイトリン奥様くらいか。あとは女剣士ルートを歩みつつある次女アリアにも注目中。
次巻で内乱が決着して、次シリーズで海の向こうから攻めてきた蛮族と戦争ですかな。きっと面白いんだろうなぁと胸が高鳴ります。
離れ離れになったスターク家の人々は再び会うことが出来るのか。期待期待。

8.5/10
 
ISBN:4757729154 文庫 野村 美月 エンターブレイン 2006/08/30 ¥630

2巻目。今回のモチーフはネタバレにつき割愛。ちなみに私は未読の本でした。

イラストがすごくマッチしてました。特に最後のカラー絵。
本を食べる妖怪の遠子先輩がかわいいとか、クラスメイトのななせが絵に描いたようにツンデレしてるとかあるけど、この話の見所はそういうところではなく、終盤になって明かされる人間関係が内包した狂気と隠されていた感情の発露。様々な感情がこもった雨宮さんの最後の言葉が重くて、心にズシンと衝撃が来ました。

私の中で野村美月株が急上昇中ですにゃ。

8.5/10
 
ISBN:4757729316 文庫 あきさか あさひ エンターブレイン 2006/08/30 ¥630
「世界は、あと四日で滅亡する―」計画都市・谷園で、いつものように教室に向かった高校生・芹沢和也は、「疎開」により、ついに唯一人になったクラスメイト、大舞都亜美から「世界を救う方法を一緒に探そう」と誘われる。荒廃した街ですることもなく、生きることに執着もない和也は、暇つぶしとして亜美に付き合うことにする…。喪われた日常が“繰り返される”世界で、生きる希望を探す少年と少女を描いた、えんため受賞作家、渾身の上下巻連続刊行。

終末物でループ物。世界の終末にループで立ち向かうシチュというか、ループ物自体私が好きなジャンルなのでおもしろく読めました。終末物を補強する登場人物の心理描写も上手くかけているように思います。
あとがきによると某ゲームそのままということで、私もあれに似てるよなぁと思ったタイトルが2,3個浮かびましたが、別物として読めました。

ちなみに一番驚いたのは、9月刊行の下巻のタイトルを見るに、今まで正ヒロインだと思っていたキャラが実は準ヒロインっぽいということでした。

7.5/10
 
ISBN:4840234442 文庫 谷川 流 メディアワークス 2006/06 ¥515

1巻の内容をほとんど忘れていました。8つの異世界がありそれらが戦っていて、その中で主人公が大切な位置を占めるという内容だっけか。読み始めたらいつの間にか読み終わっていたと記憶があります。

で、前巻ではどうだったか忘れたけど、この巻では地の文でいろいろ説明してくれます。学園+能力バトルの考察とか物語における主人公の立ち位置の考察とか。
しかし結局その物語に対する解説とレズがやりたかっただけじゃないのかと。伏線ほとんど回収されないし。まあそんな谷川流も嫌いじゃないですが、設定をどばーどばーと無駄に出してキャラが語ってくれる谷川流のほうが好きなのです。つまり学校を出ようの続きも早く書いてくださいよと。

6.5/10
 
 
ちなみに私の中の好きさでは
学校>ハルヒ>イージス>ボクセカ=絶望系
という感じ。
 
ISBN:4757727445 文庫 舞阪 洸 エンターブレイン 2006/05/29 ¥630

2巻目。
とりあえず1000人規模の騎士団に1年の入団者が10人というのは少なすぎるだろと突っ込みたい。あと、その10人の中でも半分ほどしかキャラが立ってないのは改善してほしいなぁ。
騎士団内部の裏切りとかで話はそこそこ面白くなっていきそうなので、少ない巻数で手堅くまとめてほしいと思います。

7/10
 
ISBN:4840233934 文庫 あらい りゅうじ メディアワークス 2006/05 ¥557

4冊目。
日常的な妖怪退治の話2本と、本編であろう魔龍一族との戦いの話1本。
個人的には妖怪の薀蓄をたれながら日常でまったりしてる話の方が好きだなぁ。
魔龍一族のほうは薀蓄が少ないしまだ敵がショボイ段階だから面白さが一段落ちます。
ラブ分はちょっと出てきましたが、もっとあってもいいんじゃないかと思うところ。

6.5/10
 

かのこん

2006年8月31日 読書
ISBN:4840114293 文庫 西野 かつみ メディアファクトリー 2005/10 ¥609

「おじいさん、都会の学校ってすごいです」―高校一年の耕太は転校初日、見知らぬ先輩に呼び出され二人っきり!彼女は学校で一番と噂される美少女!!彼女の艶やかな髪が揺れ潤んだ瞳が!?ほんのり上気した頬が!!?か、かわいらしい唇が!!!?なんだかどんどん迫ってくる???なんだか目がちかちかすることがおきてます!そして「ええっ!?せ、先輩ってもしかして…????」―田舎で祖父と二人暮らしをしていた純朴少年・小山田耕太の運命が大きく動き出す!ファンタジック学園ラブコメ開幕!第1回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作。

2chの某スレではおっぱい小説とかおっぱいの三段活用とかいう噂をよく聞くこの小説ですが、読んだ限りではそこまで ( ゜∀゜)o彡゜オッパイ!オッパイ! という印象はなかったかな。2巻以降から本領発揮なんでしょうか?
ラブコメとしての出来は普通。

6.5/10
 
ISBN:4840235171 文庫 有沢 まみず メディアワークス 2006/08 ¥536

時系列は8巻の続きで、カオル(薫の妹)が啓太やようこたちと暮らすようになってからの話。連作短編。
「かもな、まいはうすっ!」
不可解な事件が起こり、そのときに偶然録画されていたビデオテープを見ながら何が起こったのか検証していくおもしろい構成。で、そういやこれは変態小説であったなと再認識。やはり全裸の人間が出てきてこそいぬかみっ!です。しかもそれが気絶して浮かんで寄ってくるあたりで爆笑でした。
「穿いてないっ!」
もちろんパンツのことですが、それがいつバレるのかニヤニヤしながら読めました。

7.5/10
 
ISBN:4829118547 文庫 鏡 貴也 富士見書房 2006/08 ¥609

本来あらすじがあるべきところに4コマ漫画があるなんて斬新。
それ以外はいつもの短編。とりあえずライナが寝てみたり変態色情狂扱いされたりだんごのために殺されそうになったりする内容で、ちょくちょく笑いながら楽しめた。
ただ書き下ろしもノリが軽かったのがちょい不満。つまらなくはないけど、連載分でコメディ分を取りつつ、書下ろしでシリアス分を取るのがバランスいいと思うんだけどなぁ。

7.5/10
 
ISBN:4044810036 文庫 日日日 角川書店 2006/04/28 ¥680

3巻目。異世界から怪造生物を召喚することができる貴重な腕輪を通り魔的に盗むことで、怪造学そのものを崩壊させようとする転校生現るの巻。

現在の支配者と召使いのような人間と怪造生物の関係を、平等にしようと燃える主人公伊依の理想にはやっぱりもやもや感を覚えたけど、この巻でその理由の一端を自覚。作中でも言われてたように伊依にとっては怪造生物の友達>人間の友達になってる気がするから。あとまあ怪造生物全てが友達というのは、人間全てが友達といっているようなもので、そんな人はちょっと信用できないというかそんな感じ。
ぶっちゃけこの話で一番面白いのは、伊依の行動よりも、その仲間であるカタナ少女の戦橋が敵をちぎっては投げちぎっては投げしている爽快な場面でした。

7/10
 
ISBN:4044508011 文庫 菅沼 理恵 角川書店 2005/03/31 ¥480
神から授かったといわれる力で、様々な術を使う少女・白雪。ある日、最愛の父を失った彼女の前でに、蘇芳・青磁・琥珀・黒曜と名乗る四人の青年が現れる。実は白雪は、この国を守護するただひとりの存在、斎宮であり、彼らはその斎宮を守る騎士なのだという。―いまや世界の存続は、彼女にゆだねられた!「俺たちは、この命に代えても、あなたをお守りする」。斎宮の名の下、今、星が動き出す。恋と戦いのファンタジー。

巫女一人にその騎士4人の兄弟で逆ハーレム物。
うーん、少女向けだからか、なんとなく合いませんでした。
読者置いてけぼりな設定とか展開は次巻以降への伏線なんだろうけど食指が動かないなぁ。野郎でおもしろいと思ったキャラはツンデレな次男だけだし。まあ気が向いたら次巻も読むということで。

5/10
 

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