断章のグリム〈1〉灰かぶり
2006年4月30日 読書
ISBN:4840233888 文庫 甲田 学人 メディアワークス 2006/04 ¥599
集合無意識下にある悪夢が泡として浮かび上がり、現実に顕現する。という設定の甲田学人の新刊。童話とかユング心理学を下地においているあたり、作者はこの設定を書きたくてこの話を書いたんだろうなと思ってしまう。だからといってキャラに魅力がないわけではなく「うるさい、殺すわよ」の人とかけっこうツボ。あーでも主人公はヒステリックになったり落ち着いたりして性格造形がコロコロ変わってたので最初つかめなかった。
Missingと違って真夜中に一人で読んでいると背後に何か居るような気がして最高って描写はあまりなかったかな。
残酷な描写はグロ中心。眼球を食べるシーンとか素晴らしいですね。ねっとりした固い球形とか微かな涙の味と血の味とか食堂を徐々に下がってゆく感触とか想像するだけでニヤニヤしてしまいます。
8.5/10
曰く、この世界に存在する怪現象は、全て<神の悪夢>の欠片である。この悪夢の泡は人間の意識に浮かび上がると、急速に人の恐怖や悪意や狂気と混ざり合う。そして、現実世界を変質させながら溢れ出し、悪夢の物語を作り上げる。
だが、浮かび上がった悪夢の泡が非常に大きかった時、個性が希釈されて物語の『元型』に近くなる。明示的、暗示的、様々な形で『昔話』や『童話』のエピソードに似たものになる――。
普通であることが信条の白野蒼衣と、過去を引きずりつつ悪夢と戦う時槻雪乃。人間の狂気が生み出した灰かぶりの悪夢の中で出会った二人が辿る物語とは――!?
鬼才が贈る幻想新奇譚、登場!
集合無意識下にある悪夢が泡として浮かび上がり、現実に顕現する。という設定の甲田学人の新刊。童話とかユング心理学を下地においているあたり、作者はこの設定を書きたくてこの話を書いたんだろうなと思ってしまう。だからといってキャラに魅力がないわけではなく「うるさい、殺すわよ」の人とかけっこうツボ。あーでも主人公はヒステリックになったり落ち着いたりして性格造形がコロコロ変わってたので最初つかめなかった。
Missingと違って真夜中に一人で読んでいると背後に何か居るような気がして最高って描写はあまりなかったかな。
残酷な描写はグロ中心。眼球を食べるシーンとか素晴らしいですね。ねっとりした固い球形とか微かな涙の味と血の味とか食堂を徐々に下がってゆく感触とか想像するだけでニヤニヤしてしまいます。
8.5/10
コメント