抗いし者たちの系譜 逆襲の魔王
2006年3月7日 読書
出逢えて嬉しかった。一瞬で恋したのも本当のこと。その想いに嘘はないから――全身全霊で彼と戦うのだ。
「……参ります」
再び邂逅した前魔王・ラジャスを見つめ、統一帝国皇帝・サラ=シャンカーラは、静かに剣を掲げた。
魔王を倒した人間の勇者・サラが、人間世界・魔物世界を統一してから4年。復讐を誓うラジャスが、サラの前に現れた。同時に動き出す、サラの命を狙う複数の陰謀。思惑が錯綜する中、ラジャスとサラは己の道を貫き通す。ぶつかりあう二つの想いが、選び取る真実とは!?
第17回ファンタジア長編小説大賞審査委員賞受賞作。逆襲の魔王と謀略の皇帝が織り成すラブ・ストーリー、開幕。
開始十ページで魔王（男）、勇者（女）に敗北。勇者、新たな魔王となって世界征服。元魔王、復讐を決意。という感じの復讐物、の皮をかぶった恋愛物、なのか？
基本的に権謀術数がメインで、戦闘も相手の手を読む理詰めの剣だったのは個人的に好み。
敵も味方も主要登場人物に何も考えていなかったりすぐぶちキレたりする少年漫画的馬鹿がおらず、皆何かしら考えて行動していることがすごく心地よい。
安直なラストにならなかったのも好感触。
ただラストバトルの盛り上がりが足らないように思えたのが唯一の玉に瑕。
回収されなかった伏線もあるし、続き出るのか？
9/10
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