ISBN:4086302578 文庫 山形 石雄 集英社 2005/09 ¥600

一昨日の図書館モノが残念ながら合わなかったので、リベンジとばかりに今日も図書館モノ。実は読む前に2ちゃんねるでひどいネタバレをされていたのですが、それにもかかわらず楽しく読むことができました。というかむしろここ最近読んだ本の中では一二を争うおもしろさでした。
過去に死んだ人間の記憶は『本』になって地面の中に埋もれており、今の人間はそれを発掘して神様が作った図書館に納めているというそういう世界のお話です。
まずは妙に人目を惹くタイトルの説明を。
・戦う司書:女。常に先制攻撃を旨とし、皆殺しがとても上手。最大で半径50キロメートル内を触覚器と聴覚器と視覚器で知覚することができ、半径35キロメートル内の敵を紐と布でできた投石器でぶち殺すことができます。でも台風が弱点。
・恋する爆弾:男。人間爆弾。胸には「戦う司書」を爆殺するための高性能爆弾が移植されています。ちなみに彼が恋するのは「戦う司書」ではなく、たまたま手に入れた『本』によって知った300年前の魔女「猫色の姫様」です。
内容的には、「戦う司書」の人格とか攻撃方法とか「恋する爆弾」の心の変化とか「猫色の姫様」の話とかさりげなく織り込まれた伏線とか、私がおもしろいなって思える要素が多く、話の構造上納得しにくい点が少々あっても、それでも十分満足できました。
そういうわけで評価は9/10。良い本に逢わせて頂きありがとうございました。
あと、続きが出ることを予感させるラストだったのですが、世界観の大きさではまだ続きが書けそうだったにせよ、今回の話の大きなネタは一回限りしか使えないようなネタだったので、同レベル以上の質を保った作品ができるのかけっこう不安です。

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